ハザードマップ整備:行政の自己満足か

中日新聞08/01/21
「洪水マップ」有効利用3割 名古屋市「災害防止に活用を」

20080121中日新聞より

名古屋市の「洪水ハザードマップ」が市民の約3割程度にしか有効利用されていない、という記事。保管しているかどうかでなくハザードマップの内容を理解しているかどうか、ということを訊くべきでないか?と思うのだが(それについては公表できないくらい悲惨な結果だったのかもしれないが)。

東海豪雨の記憶も多少は残っているであろうこの地でもこの程度。全国的に見れば惨憺たる状況であることは容易に想像がつく。まだまだ日本全国にかけてハザードマップの整備は続くようだが、このままではお得意の税金の無駄、役人・学者・コンサルの自己満足で終わることになると考えられる。

ハザードマップを作成して配る、あるいはWebGISを整備して公開するというだけでは効果は無い。ここにGISや地図の限界というものをみておくといい。

自分達の住んでいる場所にあるリスクや、それを回避・低減するための手段に関する情報は提供されるが、実際の避難行動には繋がっていない。いくら工夫をこらしたハザードマップを作ったつもりでも、そのリアリティはあくまでも地図上のリアリティであり、地表面に住む者が体感するリアリティとは異なる。(グラウンディング的に言えば、「鳥の目」と「虫の目」の断絶、という言い方になるか)

ワークショップ等で両者を結びつける、という方法があるが、日本は全国満遍なく多様なリスクを抱える災害列島であり、全ての地域に対応するのは困難であるし、開催した地域の住民全てが参加できるわけではない。

地図上のリアリティを身体性リアリティに変換するためにはどのような方法、ツールを使えば良いか。行政の枠、地理学・防災学の枠からも自由になり、再考を進めていく必要があると考えている。

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