「地図もウソをつく (文春新書 651)
」(竹内正浩)
本屋でこのタイトルを見て、名著「地図は嘘つきである
」(マーク・モンモニア)を連想した。コンセプトも似ている。表紙裏の紹介文もなんとなく...出版社はもう少し考えて欲しいですね。好著だけに、勿体無い。

内容についてであるが、地図に込められた思惑、加工の経緯がしっかりと調査・整理されていて興味深く読むことの出来る良質なレポートである。国内製作の地図を中心に調査していることもあり、モンモニアの本よりも受け入れられやすいのではないだろうか。掲載されている地図をカラーで見てみたいなあ。
「滑稽欧亜外交地図」は傑作。

地図は現実をそのまま写し取ったものではないこと、それについて突っ込んでみたい場合は「地図の想像力 (講談社選書メチエ)
」(若林幹夫)がある。
現実は地図を模倣する...我々が認識している「現実」は人間の意図が投影されたもの、そのツールの一つが地図である。そう考えると、前述のように地図は「ウソをついている」わけではないんだよね。あくまでもそのような意図が現実に対して働いた、という捉え方になるのだ。
地図とは何か、我々が社会をどのような形で認識しようとしているか考えることの出来る一冊。

以下、「地図の想像力」p5より。
ある帝国で、皇帝に命じられた地図師がきわめて精確な帝国の地図を作り上げた。その地図は精確であるだけでなく、大きさも帝国とそっくり同じだったので、帝国の領土をそっくり覆い隠してしまった。やがて時がたつにつれ、地図は次第に朽ちてぼろぼろになっていく。そして同じように、帝国の国力もまた次第に衰えていった。かくして今では数個の地図の断片だけが、砂漠と化したかつての帝国の領土の上に、僅かに痕跡を残している......。
本屋でこのタイトルを見て、名著「地図は嘘つきである

内容についてであるが、地図に込められた思惑、加工の経緯がしっかりと調査・整理されていて興味深く読むことの出来る良質なレポートである。国内製作の地図を中心に調査していることもあり、モンモニアの本よりも受け入れられやすいのではないだろうか。掲載されている地図をカラーで見てみたいなあ。
「滑稽欧亜外交地図」は傑作。

地図は現実をそのまま写し取ったものではないこと、それについて突っ込んでみたい場合は「地図の想像力 (講談社選書メチエ)
現実は地図を模倣する...我々が認識している「現実」は人間の意図が投影されたもの、そのツールの一つが地図である。そう考えると、前述のように地図は「ウソをついている」わけではないんだよね。あくまでもそのような意図が現実に対して働いた、という捉え方になるのだ。
地図とは何か、我々が社会をどのような形で認識しようとしているか考えることの出来る一冊。

以下、「地図の想像力」p5より。
ある帝国で、皇帝に命じられた地図師がきわめて精確な帝国の地図を作り上げた。その地図は精確であるだけでなく、大きさも帝国とそっくり同じだったので、帝国の領土をそっくり覆い隠してしまった。やがて時がたつにつれ、地図は次第に朽ちてぼろぼろになっていく。そして同じように、帝国の国力もまた次第に衰えていった。かくして今では数個の地図の断片だけが、砂漠と化したかつての帝国の領土の上に、僅かに痕跡を残している......。


